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つむぎの館

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当ページは「つむぎの館」のブログサイトです。
各種イベント情報から、「結城」周辺情報まで幅広くお伝えして参りたいと思っております。

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まとめ
03/26

草木染染色作家 田中茂梨氏トークイベント(後半)

Category : 未分類


結城で活動される染色作家 田中茂梨氏の

トークイベントの内容をお届けしています。

前半はこちらでご覧いただけます。
http://tsumuginoyakata.blog77.fc2.com/blog-entry-850.html



後半です。
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田中茂梨氏作 本場結城紬草木染(小石丸使用)



●ものづくりで大切にすることの一つに、”おおらかであること”というのがあるんですね。

それもね、菅原さんから教わったんだけども、主に暖簾(のれん)をつくられている方なんです。柄を描くときにも下書きをせず、その場その場で描く人で、私も図案は描かないんです。とにかくものをつくるとき生命感のあるもの、躍動感のあるものをつくるようにしろということを言っていました。図案を描いて、頭の中で考えていると躍動感がなくなっちゃう気がするものですから、そのときの気持ちでやっています。人それぞれで、図案を描いても躍動感のあるものをつくれる人もいるでしょうけども、私はそれはできないんです。ですから、時々こうしたらよかったかなと思うものもありますし、逆に今回は神様が手伝ってくれたというようなものもできるときもあります。色々です。


●生命力がある色というのはどういった色ですか。

水の中に浸かっている瑞々しさ、美しさ、艶を出せと言われましたね。なかなか難しいんですけどね。



103-2.jpg
田中茂梨氏作 本場結城紬草木染(小石丸使用)



●植物の固体の特性、気候条件、糸の特性、そういったものが合わさって一つのものが出来上がっている。草木染めというのは人がコントロールできる部分がとても限られていますね。だからこそ、予想以上のものができたり、ものをつくるうえでの驚きというものが常にあるんですね。

ありますし、それが非常に大切なことなのではないかと思っています。また、日本のものづくりの流れといいますか、民族性に、そういったおおらかな部分というのはあったのではないかと思っています。

正倉院なんかにある古い裂を復元するプロジェクトがあったらしいですが、織を担当する人が調べたところ、微妙にね、柄がずれているんですって。でもまさか天皇に献上するものに技術の拙い人がつくるはずはない。調べた方の話では、そういう細かいところをこだわらない、おおらかさというのが奈良時代にはあったのではないかとおっしゃていました。そういう感覚がずっと日本の民族のなかにある一面ではないかと感じます。


●結城紬の糸も完全にまっすぐではありません。完璧に整っていないところに美の奥深さや面白み、温かみがあるのかもしれないですね。

不完全なものに美を見出すようなところがありますね。ちょっと歪んでいたり、欠けているものもある。


●不思議ですね。不完全なものを愛する意識がある一方で、職人的な緻密さを求める民族性もあります。

緻密さの極みに到達したのは江戸時代でしょうね。今では真似できないものがたくさんある。織物もそうだし、組紐も。


●草木染めの一つのよさは自然と落ち着くというか、安らぐという面があると思います。草木染めの色というのは部分部分で色にゆらぎがあって、それは糸の太さによっても色のつき方が違いますし、そういった自然のゆらぎがこの布には織り込まれている。同じくゆらぎをもつ結城の糸に草木の色はすごく相性が良くて、草木を染めたものが一番の結城だと思えます。




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今までの作品の余り布。一つとして同じものはない





小石丸について


●田中さんの作品の中には、小石丸を使って制作されたものも多くあります。

蚕の原種といわれていますよね。とても小さくて、飼育が大変なんですって。できる繭も小さいので回転マブシもそれ専用に作ってあげないといけないし手がかかるけども、できる糸はなんともいえない艶がある。これは私も感じました。今は当たり前になっちゃったんですけど、小石丸の糸を染めた当初はえっ!と思うぐらい違いましたね。艶がね、渋い艶なんですよ。いぶし銀というか。なんともいえない品のある艶がありましたね。そういう特徴のある糸です。


●縁あって、先代社長が小石丸を分けてもらえるという機会があり手に入ったんですよね。

「こういうのあるからどうだ」と声をかけてくれて、それが何より私の一つのやりがいになりました。


●通常、袋真綿をつくるのに繭を5~6個使いますが、小石丸は小さいのでもっと必要ですね。

そうですね。繊維の細さは1/2か1/3、長さも1/3ぐらいしかありません。これを結城の糸にする場合、同じ太さの糸をつくるのに普通の糸よりも2倍、3倍の繊維量が必要となります。ですから、普通の糸とは違う、微妙な艶が出るのかなとも思います。これは私の考えですけども、ダイヤモンドを細かくカットしたら光の当たる面が多くなって光り輝く。それと同じような現象が起きているのではないかと思います。また、しかし、繊維が短いので糸にしたとき毛羽が多くなって、その分最初は織るのが大変だと家内が言っていました。


●一本一本の繊維が細く、その分多くの繊維を引きだし糸にしているので、短いと糸を引くときにたくさん絡み、力がいります。つくるのが難しいですが、その分コシのある上質な糸ができ、そういう糸に最高の草木を染めたいと先代は思ったのかもしれません。




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「真綿から糸を成し、また真綿に帰す」


人生の中で人との巡り会いや出会いとか色々あって、大きく影響を受けることもあります。この道に入って、ちょっと結城の空気を吸っておかないといけないと思って、奥順さんの資料館に行きました。すると、たまたま現社長がいらっしゃってお話をしてくださったなかで、「結城紬というのは真綿から糸を成し、また真綿に帰す。それが結城なんだよ。」と、おっしゃった。

私は、それをずっと心に留めてつくってきました。暖かくて、軽くて丈夫という真綿の特徴そのものが結城の布味(ぬのあじ)。地機で制作しているのも結城の布味を出すには地機が一番だからだと思うからです。無撚糸を、腰で張り具合を調節しながら織ることで布に弾力が生まれ、着物となったとき身体に寄り添い、着姿が美しくなります。草木の目に優しい色も、結城の布味を活かした色だと思います。その布味を活かした形というのが私の基本です。




(2018年2月3日)
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作品はその人の考えや想いが映し出されるもの。

今回、田中茂梨さんが草木染に至るまでの経緯、

出会った人からもらった言葉、制作に込める想いを伺い、

美しい作品の数々がなぜ生まれているのか、

心から納得させられました。




展示会は終わってしまいましたが、草木染の

結城紬はつむぎの館にございます。

実際にご覧になられたい方はスタッフに

お気軽にお声がけくださいね。




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田中茂梨氏作 本場結城紬草木染(小石丸使用)










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