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つむぎの館

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10/21

結城紬の細工展を終えて

Category : 展示会情報

9月2日より開催していた『結城紬の細工展』


細工展DM



約一か月間の開催期間を終え、10月1日に閉幕いたしました。

会期中は、多くのご来場を頂きまして誠にありがとうございました。



二百亀甲細工・二百五十亀甲細工のほか、今では織ることのできない

貴重な結城紬をご覧いただきながら、職人の技術や思いに

耳を傾けていただき、心を動かされる充実した時間を

お客様と共有させて頂きました。








今回、改めて感じることができたのは、

ものが生まれるまでにはストーリーがあるということ。


結城紬の場合には、歴史、デザインに込められた思いや

職人のものづくりに対する姿勢、また、その仕事に関わる

家族や仕事仲間など周りの人々の思いも重なっていきます。




今回の企画展では、制作の裏に隠された技術や思い出を垣間見ることができ、

結城紬という“もの”に眠る、さまざまな人のドラマを感じられる一か月間となりました。


IMG_3852-1.jpg


IMG_3855-1.jpg





40以上ある結城紬の工程のなかで、国の重要無形文化財にも指定されている代表的な技術が

「糸つむぎ」「絣くくり」「地機織」の三つです。




そのなかで、「絣くくり」の実演を陳列館にて行いました。

お願いしたのは、坂入則明さん。



DSC_0082-1.jpg
絣くくり



坂入さんは紺屋(染屋)として染めを生業としていますが、

絣くくりや織もできる稀有な職人です。

美しい一反の織物をつくるために色を追求し、

肌理の美しいふんわりとした布に仕上げるために

妥協を許さない、“こだわり”の人。



そんな坂入さんにお願いし「絣くくり」だけでなく、

実演ではなかなか見る機会のない「刷り込み」という染色の技術も見せてもらうこととなりました。



DSC_0158-1.jpg
刷り込み




「絣くくり」は糸の段階で文様となるところを木綿糸でくくって染め分ける方法です。



一方、「刷り込み」は糸に刷り込み棒(細いヘラの様な棒)

を使って直接染色をする方法です。

一度刷り込んでしまうと、消すことはできないので

失敗は許されない、大変難しい技術です。




DSC_0191-2.jpg


普段間近に見ることはできない技術を見て体験する

ことによって、ご参加頂いたお客様はとても感動されていました。







「大変かもしれないけど、できあがったときの快感は大きい。

やっているうちに大変が快感になるときがくる。」

最後に坂入さんは仕事についてこう語りました。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





結城紬の歴史のなかで、最も柄が細かいもの。

それは本場結城紬 二百五十亀甲細工です。

IMG_2389-3.jpg
(糸つむぎ:複数名  絣くくり:谷澤雄一  地機織:武田かよ子  デザイン:奥順株式会社)



この二百五十亀甲が完成するまでにどれだけの歳月が流れ、

苦悩や喜びがあったでしょう。



各工程の素晴らしい技術が集結し生み出された

逸品は、個性を超えた普遍性をまとっています。




そんな逸品が生まれる過程を妻として、

または同じ職人として傍で見ていた、

故谷澤雄一さんの奥様・和子さん。


IMG_4299-1.jpg



旦那さまとの思い出を振り返り、

「やっぱり仕事が好きだったんですね。」と語られました。



責任感の強い雄一さんは、病気で入院中もずっと

仕事のことを考え、和子さんに糸を持ってきてもらって、

細かく仕事の指示をしていたそうです。


二百五十亀甲の絣くくりに取り組んでいるときは、

他の反物には手を付けず、一対一でひたすら向き合い、

取り組み続けて完成させました。


IMG_4308-1.jpg


鍛錬に鍛錬を重ね磨き上げた技術を以て、

極限の集中力を求められる絣くくり。



過酷な仕事の世界に没頭するあまり

一日の仕事を終えても張り詰めた緊張感を

感じるときもありましたが、苦悩を乗り越えて

できあがったときは家族みんなで喜びあったそうです。






今、結城紬があるのは産地の職人がいるからこそ。

各工程のどれが欠けても出来上がることはありません。



この素晴らしい布を次に受け継いでいくことが、

私たちの使命だと職人さんの思いに

ふれることによって改めて感じました。





奥澤


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